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「おーい、火事はどこい行つたあ」こんな風に、口々に喚いていた。
「獲とれましたか」
「さうですが、それはさうにちがひないが――」
房一は苦笑した。
恐らくその一かたまりでは赤山廃坑の話がさつきから賑かだつたのだらう。さう勢ひこむやうな調子で喋つていたのは富田といふ仲買だつた。
「あのね、何ですよ――」
「や、さあお上り下さい。さあ――」
「いや、まあ。――後の分もありますよつて、黙つて預つといて下さい」
見たことのない顔だつた。患者なら玄関から来る筈だ。
と、微笑しながら頭を下げた。
読経どきやうはまだ始まらなかつた。
「大きいかね」
「なんですか、御挨拶まはりですかね、それはどうも御苦労さまですなあ。――まあ、お上り下さい」